ぶらり一人旅の話(5)
長野と言えば蕎麦
蕎麦を食おう。長野と言えば蕎麦だろう。
手元の端末でおもむろに蕎麦屋を探し始める。こういう時、スマートフォンの普及した現代は便利だと心から思う。近くに良さそうな店を発見。3分ほど歩く。
開店前でした。
早いんだよ。まだ早いの。9時代だよ。そりゃ開いてないよ。
探そう。別の蕎麦屋を探そう。ここがいい。ほほう評価が高い。期待しよう。歩く。蕎麦屋まで歩く。歩く。
開店前です? はて? Webの情報では開店時間だが。
同じような状況を繰り返すこと3軒。おおらかだな、長野。駅に隣接している蕎麦屋がとっくに開店時間なことに気付くのは、それから30分後のことです。
辿り着いた蕎麦のまあ、美味いこと。いやいや、比喩じゃなくて普通にうまいぞ。蕎麦。
そうだった。北海道に行けば適当な回転寿司でも段違いに旨い。土地の名物はどこで食べても旨いのだ。そんなことを想いながら、蕎麦を啜り、蕎麦湯を流し込む。
長野と言えば松本城
松本城が近くにあるのに行かなくてどうする。
駅前の開発都市感と、松本城の自然味はマッチしないようでいて、上手く融合している。街中を走り抜けると突然現れるタイムスリップ感が秀逸。
松本城公園も路上ライブのメッカだ。
そう、忘れていませんよ。すっとぼけて蕎麦食ってごまかそうとしていた訳ではありません。ちゃんとリサーチしていたのです。おじさんの狡猾さを侮ってはいけない。
松本城公園。それはそれは穏やかな庭園でした。
いやいや、こんなところで演奏してるの? 大丈夫かな。全く想像つかないんですけど。
仕方ないね。観光に切り替えよう。仕方ない。仕方ない。
そうでしたそうでした。階段が急勾配でね。リアルに稼働していた時期なんか、こういうところを走り抜けるわけじゃないですか。無理があるよね。絶対に滑り落ちる人とか出てくるって。階段ツルツルだし。
ああ、楽しかった。さて、次の場所に移動しましょうか。
──続く──
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