とある4月のうつ状態(3)

2021年8月14日

 ただ、じっと見ていた。薄笑いを浮かべながら。

 うつは様々なものを奪います。驚くくらい動かない心。自覚のない表情。思考回路は常にオーバーヒート。波のように襲い来る症状。

 ここではとあるうつ病にされたサラリーマンが緩やかに壊れていく様を、時系列に沿ってご紹介します。

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Twitterから読み取れる4月後半のうつ傾向

今日は大分マシ。何が違うんだろう

4/18 今日は大分マシ。何が違うんだろう。頭がまともに働くのは本当、久々な感じ
4/19 驚くくらい心が動かない

 ―――当時のTwitterより抜粋―――

 不安定ですね。

 原因があるわけではないんです。朝起きて、どうか。本当にそれだけ。振れ幅も同じ。

 法則性があって対策出来るなら、とっくの昔に対策されてるんでしょうけどね。残念ながら、開けてびっくりです、毎日。

無理ゲーにつきあっても仕方ない

4/20 開き直ってバンバン休み取るようにしたら、結構楽になってきた
 無理ゲーにつきあっても仕方ない。俺なら乗り越えられるとか思い上がらない。後は勝手に外が踊ってるのをみてると、滑稽ですらある。驚くくらい心が動かない

 ―――当時のTwitterより抜粋―――

 ちょっとの体調不良でも休む。朝起きて頭痛かったら休む。無理せず休む。とにかく休む。休むのって、本当大切。状況は好転しないですが、そんなことより休養の方が大事です。

 ここで言う無理ゲーってのは、頑張ったところでストレッサーである上司(サラリーマンとうつ病と私参照。以下、大黒様)からの評価フラグは立たない、という事実を知ってしまったんですね。攻略を諦めたんです。

コツコツ築き上げてきたものを緩やかに崩していく感じ

4/26 だめだなーやっぱり苦手。いろいろ無理だわ。
 いままでコツコツ築き上げてきたものを緩やかに崩していく感じ。悪くない。

 ―――当時のTwitterより抜粋―――

 もう覚えていませんが、大黒様からまた何か言われたんでしょう。不思議なことに本人は全くその自覚がないので、この手のオーバーキルはここから先も結構食らいます。

 徐々に崩壊していく職場を見ても、何も感じなかったことを記憶しています。

うつは感情を蝕む──諦めから始まる心と表情の変化

 諦めると色々なものが弛緩するのか、薄笑いが浮かんできます。楽しいわけないのに不思議ですね。

 若干、前のめり気味に仕事をしてきました。いざ歩みを止めてみると、周囲の人間の必死に働いている姿が不思議に思えて仕方がなくなります。

 強烈な客観視。

 冷静というよりも、むしろ他人事というか、物語を読んでいるような感じに近いでしょうか。

 新しいことを始めるのには大きな熱量が要ります。さらにそれを継続していくことの方が遥かに難しい。そして壊してしまうのはとても簡単。

 情熱を注いで築き上げてきた職場。入社してからこれまで積み上げてきた実績。心の止まってしまった自分の中に、それらを維持できるだけの熱量は残されていませんでした。

 少しずつ、少しずつほころびが生じていくのをただ、じっと見ていた。薄笑いを浮かべながら。

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